ロックウールのススメ

ホーム    ロックウールのススメ    ベストな断熱材は?

ベストな断熱材は?

「ベストな断熱材は何ですか?」
よく聞かれる質問ですが、非常に難しいご質問です。
断熱材そのものの性能の比較には熱伝導率(λ:ラムダ)がよく使用されます。
しかし、熱伝導率の小さい商品は一般に高価で、コストパフォーマンスを兼ねた比較は、とても難しいのが現状です。
おまけに、住宅の建築工法によって、その相性との検討も必要なので、「ベストな断熱材は?」の質問への回答は、とても難しいのが現実です。
少し古い書籍ですが、建築知識2009年7月号「最新[断熱・エコ設計]実践マニュアル」に掲載された「一目で分かる!断熱材の選び方」が、客観的に書かれたよい資料と思いますが、ここには、「すべて完璧な材料はないんだね!」の著述があります。その事実は、現在も変わらないと思います。
とは言え、「ベストな断熱材は?」のご質問を少し探ってみたいと思います。

●ベストな断熱材の選び方?

先ず大切なのは、目的の建物の各部位に、どの程度の厚さの断熱材が使えるかを把握します。
断熱方法には、充填断熱・外張り断熱・付加断熱・等があります。
断熱方法の比較は「省エネ・快適ライフのすすめ」の「高性能住宅の基礎知識(2009年制作)」を参照ください。
納まりが決まれば、断熱材の種類毎に「厚さ」と「熱抵抗値」と「コスト」等を一覧リストにして、比較すれば、「ベストな断熱材は?」の回答に、少し近づくと思います。
では、基本的な性能を求める計算方法について、ステップを追ってご説明します。

■熱貫流率(U W/(㎡・K)) 

先ず、各部位を構成する材料の性能計算です。
各部位の断熱性能は熱貫流率(U W/(㎡・K)で、比較出来ます。
計算式は以下の通りです。

■熱抵抗(R ㎡・K/W) 

熱抵抗(R ㎡・K/W)は材料の厚さと熱伝導率で決まります。
計算式は以下の通りです。

■熱伝導率(λ W/m・K)

熱伝導率(λ W/m・K)は材料固有の数値です。
主要な建築材料の熱伝導率はこちら
※壁のように複数の材料が重なり合う場合は
各材料の熱抵抗を合計し、熱貫流率を求めます。

材料と部位の計算方法が理解できましたら、「外壁」の計算をして見ましょう。
120mmの柱・間柱間に100mmの断熱材を入れた、一般的な木造軸組工法の充填断熱の例で試算してみましょう。
室内側には12.5mmのせっこうボード、室外側には12mmの合板を張ります。(一例)
計算には断熱材以外のものも入ります。熱伝導率の値は断熱材と一桁違います。

主要な4種類の断熱材で、「外壁」の熱貫流率を比較すると以下のようになります。

実物件は、断熱材の無い熱橋部との兼ね合いで壁全体の熱貫流率を計算します。その時に簡略計算法①や簡略計算法②・詳細計算法等のルールがあります。詳細はこちら

今度は、建物全体です。平成25年基準では、各面積と各部位の熱貫流率の掛け算の合計(熱損失量)を、外皮総面積で割り算して、外皮平均熱貫流率(UA値)を求め、住宅全体の断熱性能を求めます。
実例で計算しましょう。プランは有名な自立循環型住宅モデル住宅です。

最終的には算出した外皮平均熱貫流率(UA値)と、省エネルギー基準との比較が判断材料です。省エネルギー基準は2020年の義務化のベースですので、最低レベルとお考えください。ZEH(ゼロエネルギー住宅)を求める方は、1~3地域のUA値は0.4、4~7地域は0.6がひとつの目安になっています。

この計算過程で分かるのは、
ベストな断熱材は、求める性能=必要な熱抵抗値(R)を、納める厚さ(m)内で、出せる熱伝導率(λ)のコストパフォーマンスの高い断熱材を各部位で選択する。という事になります。
住宅全体の外皮平均熱貫流率(断熱性能)をどうするか?・・・・・・・スタートはここからなのです。

性能以外にコスト・入手の容易さ等のその他の要素も検討が必要です。
又、使用場所に関しては、遮音性・防蟻牲や不燃性等の付加機能が優先される場合もあります。
商品が優れていても、施工出来る人が限られている。施工者の能力に頼る要素が大きいなどの要因もあるようです。
従って、結果的には前述のように、「すべて完璧な材料はないんだね!」となり、2種類程度の断熱材を組み合わせる例が多いようです。

ベストな断熱材は何か?
適材適所!
すべてをひとつで満足出来る商品選定は難しいので
目的に合わせて、適材適所!
お施主様は勿論、設計者や施工者との調整も必要です。

建築物への納まりに関しては、「高断熱住宅の基礎知識」をご参照ください。

このコンテンツは2009年4月の改正省エネ法施行にあわせて公開されていたものです。
2015年4月に改正省エネルギー基準が施行され、数値等の取り方が変わりましたが、「充填断熱」と「外張り断熱」の説明等に関しても、もう少し詳しく説明してあります。