JFEロックファイバー株式会社

第4回 次世代省エネ基準 数字で確認!“断熱性能”

第4回 断熱住宅の性能値 数字で確認!“断熱性能”

現行の平成25年基準ではありません。ご注意ください!

2.住宅全体でみる方法

2-1 年間暖冷房負荷とは…

年間の暖房負荷と冷房負荷を合計したものを床面積で割ったものです。

■暖房負荷とは

気象条件(外気温度、日射等)のもと、室内をある温度に維持するために必要な投入熱量のことです。壁面などを伝熱で移動する貫流熱損失と、換気熱損失の2つの熱移動に大きな影響を受けます。したがって、建物の断熱性能や気密性能が、年間暖冷房負荷を決定する重要な要素となり、冬対策としての断熱計画は厚いコートで住宅をくるむような高断熱・高気密化が中心となります。

■冷房負荷とは

室内をある温度と湿度に維持するために必要な冷房時の除去熱量のことです。躯体(外壁や屋根、床、開口部等)を通じて侵入してくる貫流熱のほか、窓ガラス等からの日射侵入、室内で発生する熱(家電や照明、人体等)による影響が大きく、湿気を除去するための除湿も負荷になります。そのため、夏対策としての断熱計画は、夏の日射を遮る日傘と、風や汗を通しやすい涼しげな服(断熱外皮)が必要です。ただし、冷房時には体を保護する上着(冬と同様な断熱)も必要です。

快適で健康な温熱環境を得るためにエアコンなどの暖房機、冷房機による温度、湿度の制御
■どうやって計算するの?

計算方法は、時々刻々の熱収支を計算するシミュレーション法や、デクリーデー(暖房あるいは冷房を必要とする期間について、保持したい室温と外気温との差を、期間中毎日の分を加え合わせた数)を基に計算する簡略法など様々なものが存在します。いずれも気象データが必要であり、計算も膨大になりますので、計算プログラムを用いてコンピューターで計算する方法が一般的です。
代表的なものとしては、(一財)建築環境・省エネルギー機構(以下、IBECと称します)が販売する熱負荷計算プログラム“SMASH for Windows”があります。

■暖冷房負荷の基準

省エネ法や品確法では、暖冷房負荷に基準値を設けています。品確法における年間の暖冷房負荷の基準値は、表 1のように定められています。基準値は、後述する省エネ地域区分によって異なります。また、等級によっても異なります。例えば、建設地が東京の場合、省エネ区分地域はW地域に該当、年間の暖冷房負荷が460MJ/m²・年以下の住宅は、品確法(温熱環境に関すること)の等級4の基準を満足する事になります。
※現在の省エネ法(平成11年基準)は、等級4に該当します。

【表 1 品確法における一戸建ての住宅の年間暖冷房負荷の基準値】

等級 地域区分
年間暖冷房負荷(単位:MJ/m²・年)
I II III IV V VI
4 390以下 390以下 460以下 460以下 350以下 290以下
3 470以下 610以下 680以下 800以下 610以下 560以下
2 840以下 1,030以下 1,030以下 1,030以下 1,100以下 1,100以下
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右の図2は省エネ地域区分を示しています。全国を市町村単位で6つの地域に分けています。これを省エネ地域区分と呼びます。
I 地域は最も寒冷な地域で、基本的には北海道が該当します。逆にVI地域は最も暖かい地域で、沖縄県が該当します。東京や名古屋、大阪などの大都市はIV地域に該当します。 皆様のお住まいの地域区分はご存知ですか?

図 2 省エネ区分地域

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