JFEロックファイバー株式会社

第9回 配管、コンセント、照明の処理 以外な落とし穴

第9回 配管、コンセント、照明の処理 以外な落とし穴

前回のテーマに挙げたとおり、住宅の断熱性能、耐久性を保つためには、断熱材、防湿層の施工が肝心です。断熱材と防湿層は、住宅の種類や断熱材の施工方法に応じて、各部位の一般部と取り合い部で連続して施工する必要があります。設計、施工上の注意点は第6回に、取り合い部については第8回に紹介していますので、ご確認ください。

※防湿フィルムなど防湿層として用いられる素材の多くは、気密層の役割も兼ねています。多くの現場関係者の方は配管やコンセント廻りの気密処理に注意されているかと思います。省エネ基準では防湿層と気密層を別々に設けているケースもありますが、ここでは、防湿層と気密層を兼ねる防湿フィルムを用いることを前提としていますので、防湿層は“防湿”と“気密”を兼ねた防湿気密層としてお読みください。

1. どのように配管を通すか

大工さんによって家が家らしく形作られ、断熱材もきちんと入り、壁内気流もしっかりと防ぎ、防湿処理もしっかりとできました。通常であれば、ここで(断熱工事が終了してから)、設備の工事に入ります。設備関係の職人さんの出番です。いろいろな配線や配管を通したり、コンセントや照明器具を付けたりする番です。

あれ?電気は電線を通して外からやってくる、コンセントって大抵壁の中に埋まっている・・・。連続性をもって施工した断熱材や防湿層はどうなっちゃうの?穴を開けちゃったら、断熱材に隙間ができたり、防湿層が破れたりしてしまうのでは・・・。もちろんそのままでいいわけありません。

今回はそのような細かいところですが、防湿層を貫通する各部位の細部の防湿処理の代表的な納まり例を紹介します。

特に気をつけたい箇所は第6回でもあげたとおりです。念のためおさらいしましょう。

図 1 充填断熱工法における設計・施工上の注意点(第6回 図4)

図 1 充填断熱工法における設計・施工上の注意点(第6回 図4)

図 2 外張断熱工法における設計・施工上の注意点(第6回 図5

図 2 外張断熱工法における設計・施工上の注意点(第6回 図5)