
第11回 断熱工事のここをチェック!プロも顔負け、ここをチェック
3. 工事段階でのチェック
断熱工事は一体いつ行われるのでしょうか。一般的には、下の順序で工事は進みます(現場ごとに手順が異なるので、現場監督さん等に確認してください)。

基礎断熱を選択した場合には、基礎工事の段階で断熱施工が入りますが、屋根や天井、外壁などは躯体が出来上がって防水工事の後の施工となるケースがほとんどです。工事中のチェックポイントをご紹介します。
3-1 断熱材の確認
工事は設計図書に従って進みます。
断熱材は設計図書どおりに使用されているか、施工されているかを確認しましょう
また管理方法も重要ですので注意しましょう。
表 18 断熱材の確認
断熱材の保管方法 | 雨にぬれたり、日が当たる場所に放置されたりしていませんか? | □ OK | □ NG |
無機繊維系断熱材の場合、断熱材の上に重量物を載せていませんか? | □ OK | □ NG | |
発泡プラスチック系断熱材の場合、火気に注意されていますか? | □ OK | □ NG | |
断熱材の種類が設計図書と 同じものでしょうか? |
屋根・天井 | □ OK | □ NG |
外壁 | □ OK | □ NG | |
床・基礎 | □ OK | □ NG | |
開口部の種類・仕様は設計図書と同じものでしょうか? | サッシ | □ OK | □ NG |
ガラス | □ OK | □ NG |
3-2 断熱材の施工
やっと施工までどりつきました。
素人では分かりにくい部分も多いので専門家(第三者監理)を頼るのもよいでしょう。
また、工事が進むと隠れてしまう部分なので、施工現場に出向き、カメラ等で記録を残しておくとよいでしょう。
表 19 断熱材の施工状況-1(断熱工事中)
※テキストリンクをクリックすると確認場所の図がご覧いただけます。
隙間なく施工されています? | 建物全体の 注意点 |
隙間やたるみがありませんか? 壁の施工例 天井の施工例 |
□ OK | □ NG |
詳細部注意点 | 換気口やコンセントの周囲 | □ OK | □ NG | |
開口部周囲 | □ OK | □ NG | ||
筋かい部などの周囲 | □ OK | □ NG | ||
天井の吊り木部分 | □ OK | □ NG | ||
使用する断熱材によりチェックが必要な箇所 | ボード状断熱材を充填する場合、隙間が生じた場合は現場発泡断熱材などで補修されていますか? | □ OK | □ NG | |
耳付きの防湿層を備えたフェルト状断熱材を施工する場合、耳を室内側見付面に間隔が200o内外で“ステープル留め”されていますか? | □ OK | □ NG | ||
取合部の気流止めが設置されていますか?※ | 外壁と床 | □ OK | □ NG | |
外壁と天井(屋根) | □ OK | □ NG | ||
間仕切壁と床 | □ OK | □ NG | ||
間仕切壁と天井 | □ OK | □ NG |
※工法によっては必要のない場合もあります。「第6回 断熱工法の比較」をご確認下さい。
表 20 断熱材の施工状況-2(断熱工事終了後)
防湿・気密施工 | 仕様に合わせた防湿施工がされていますか? | □ OK | □ NG |
防湿材が電気配線や設備配管の工事などで破れていないか。破れた場合は防湿テープで補修されていますか? | □ OK | □ NG |
※他にも断熱材が途切れやすい箇所、注意点を第6回(図4、5)に記載していますので、参考にしてください。
3-3 工事終了後
熱カメラや気密測定によって、「断熱欠損があるか」、「要求通りの断熱性能が発揮されているか」を調べる方法もあります。ただし、費用がかかることですので、興味のある方は施工会社と相談されてはいかがでしょうか。