
第3回 断熱材の種類と特長:こんなにあります断熱材と部位構成
3. 断熱性能
3-1 断熱性能を示す熱伝導率
断熱材の断熱性能は、“熱伝導率”という数値で示されています。熱伝導率とは、物質内での熱の伝わり易さを表す値であり、この値が大きいほど熱が伝わり易く、小さいほど伝わり難くいことがわかります。単位はW/(m・K)です。この単位は断熱材料の両面の温度差が1℃で、材料の厚さが1mの時に通過する熱量を表します(詳しくは第4回で解説する予定です)。
前頁【表2 断熱材の種類と特長】に素材ごとの熱伝導率を示しています。素材によって値の大小があり、同じ素材でも、ずいぶんと熱伝導率に違いがあることがわかります。これは同じ断熱材でも製品によって熱伝導率が異なるためです。表4にロックウールとグラスウールの熱伝導率の一例を示します。種類の中に「10K」「32K」いう表示があります。この「**K」は断熱材の密度を表す表示で、数値(**)が大きいほど密度が高く、断熱性能が高いことを表しています。グラスウールは、この密度(**K)以外にも厚さがありますので、厚くても密度が小さければ断熱性能が劣る場合もありますのでご注意下さい。
【表 4 繊維系断熱材の熱伝導率】
材料名 | 種類 | 熱伝導率 W/(m・K) |
断熱材区分 |
ロックウール | 吹込み用ロックウール断熱材 25K相当 | 0.047 | A-2 |
住宅用ロックウール断熱材(マット・フェルト) | 0.038 | C | |
ロックウール断熱材(ボード) | 0.036 | ||
吹込み用ロックウール断熱材 65K相当 | 0.040 | ||
グラスウール | 吹込み用グラスウール(施工密度13K,18K) | 0.052 | A-1 |
住宅用グラスウール断熱材 10K相当 | 0.050 | A-2 | |
住宅用グラスウール断熱材 16K相当 | 0.045 | B | |
住宅用グラスウール断熱材 20K相当 | 0.042 | ||
住宅用グラスウール断熱材 24K相当 | 0.038 | C | |
住宅用グラスウール断熱材 32K相当 | 0.036 | ||
高性能グラスウール断熱材 16K相当 | 0.038 | ||
高性能グラスウール断熱材 24K相当 | 0.036 | ||
高性能グラスウール断熱材 32K相当 | 0.035 | ||
吹込み用グラスウール断熱材 30K,35K相当 | 0.040 | ||
高性能グラスウール断熱材 40K相当 | 0.034 | D | |
高性能グラスウール断熱材 48K相当 | 0.033 |