JFEロックファイバー株式会社

第9回 配管、コンセント、照明の処理 以外な落とし穴

第9回 配管、コンセント、照明の処理 以外な落とし穴

2-2 天井断熱部の照明器具

天井断熱部の照明器具は断熱層、防湿層の欠損を防ぐためにシーリングライト(直付け)式照明器具が望ましいのですが、やむを得ず埋め込み型にする場合には、断熱施工用のダウンライト(S型)を使用するか、防湿フィルムで構成した空隙を設けて取り付けます。

図 5 防湿フィルムで設置空隙を設けた例

図 5 防湿フィルムで設置空隙を設けた例

図 5は、防湿フィルムで構成した空隙を断熱層内側に設けた例です。照明器具はその部分に取り付けます。空隙の大きさは、過熱防止のために十分な寸法を確保する必要があります。

2-3 配管・ダクト等の熱橋となる部分

配管・ダクト等で熱橋となる箇所は、断熱補強を行うことが望まれます(図6)。断熱や防露、保温材で巻かれている配管等については不要です。

図 6 最下階の床と外壁の取り合い部

図 6 配管・ダクト等の熱橋部分

3. おわりに

配管、配線、コンセントなどを、間仕切り壁や中間階の床ふところなどの非断熱の構造部分に設置することは、防湿工事の簡略化、防露性能の向上に効果的です。また、基礎断熱工法は、床下を配管スペースとして利用することができ、かつ防湿層の貫通部分を減らすことができます(第6回p2 参照)。このように細部の防湿処理は設備計画や断熱計画の段階から検討を行うことで、その箇所を大幅に減らすことができます。あまり表に出る場所ではないですが、住宅の耐久性を高めるためにも設計段階からご検討ください。

出典:
住宅の省エネルギー基準の解説(財団法人建築環境省・エネルギー機構)
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