
第1回 断熱の役割:我が家と財布と地球を救う!
2-2.経済的な効果 ― 暖房費の削減 ―
断熱を良くすると暖房費が安くなるのは当然ですが、一体どの位安くなるのでしょうか?
世帯によって暖房の方法や頻度、依存度は大きく異なりますので正確な数値は住宅ごとにシミュレーションなどで計算し予測しなければなりません。図9は、一つのモデル(図8)をもとにシミュレーションで計算した暖房費の目安です。
現在の新築住宅の約半分は平成4年の省エネ法における断熱基準に相当する(例えば、温暖地では、壁はグラスウール50ミリ、窓は単板ガラス入りアルミサッシ)と言われていますので、最新の平成11年の省エネ基準+開口部強化の断熱仕様(例えば、温暖地では、壁はグラスウール100ミリ、窓は熱遮断型サッシで複層ガラス入り)で建てられた住宅の暖房費は暖房方式に関わらず概ね50%減とグラフから読み取れます。

図 8 シミュレーションに用いられたモデル建物(出典:自立循環型住宅への設計ガイドライン、財団法人 建築環境・省エネルギー機構)
図9では、3つの暖房運転方式で暖房費を試算しています。温暖地で一般的なものは「部分間欠暖房」(必要な部屋を必要な時にだけ暖房する方法)です。この図によると「最新の平成11年の省エネ基準+開口部強化の断熱仕様」における暖房費の目安は年間で2万円程度と試算しています。(住宅の広さや地域、家族構成によっても異なりますのでご注意下さい。)








図 9 暖房費のケーススタディ結果(出典:自立循環型住宅への設計ガイドライン、財団法人 建築環境・省エネルギー機構)