設計施工者さまへ施工方法について
木造戸建て住宅(軸組み工法)
ここでは一般的な施工方法をご紹介します。
断熱材を施工する部分は外気と室内の境界線部分
一番大切なことは、「断熱ラインの連続」です。
適正サイズのロックウールを隙間なく連続させることで、断熱性能を余すところなく発揮させます。
- ただし、以下に該当する部分は
断熱を省略できます。 -
- 居室に面する部位が断熱構造となっている物置、車庫、またはこれらと同様の空間の居室に面する部位以外の部位
- 外気に通じる床裏、小屋裏または天井裏に接する外壁
- 断熱構造となっている外壁から突き出た軒、袖壁、ベランダ、その他これらに類するもの
- 玄関・勝手口および、これに類する部分における土間床部分
- 断熱構造となっている浴室下部における土間床部分
- 別張りで防湿
- 気密シートを使用する場合、フィルムを30㎜以上重ねます。
木下地部分ではタッカーで止めてせっこうボードで押さえ、下地がない部分は気密テープで目張りします。
断熱施工のポイント
気流止めの設置(ロックウールでする場合)
- 気流止めの必要性
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住宅の床下・壁内・小屋裏などは、構造空間が繋がっています。
特に間仕切り壁は床下から天井まで空気が抜けて、外気が直接入り込んでしまいます。外気が直接入ることでエネルギー効率に悪影響を与えかねません。
そうならない為に「気流止め」が必要です。
- 気流止めの主な方法
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- 床下地合板や内装下地ボード等の面材による方法 床下地合板や壁・天井下地のせっこうボード等の面材によって気流止めをする方法です。
- アムマットによる方法 アムマットを適当な長さにカットし、付属防湿フィルムが室内側になるようにU字に折り曲げたものを充填する方法です。
- 乾燥木材による方法 気流の経路を塞ぐことのできる所要の大きさの乾燥木材によって気流止めをする方法です。
- 防湿気密シートと押さえ材等による方法 防湿気密シートを取り付けて気流止めをする方法です。シートの端部はタッカー留めするだけでなく、下地(桁など)や受け木と防湿気密シートを挟んで押さえ材で取り付けるか気密テープで留め付ける必要があります。
ロックウールでの間仕切りの施工方法
間仕切り壁(天井)の施工
- 付属防湿フィルムが室内側になるようにU字に折り曲げたものを充填します。
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- ※木材で気流止めをすることもできます。
- ※気流止めはファイヤーストップとしても併用出来ます。
間仕切り壁(床)の施工
気密シートの施工
防湿層の連続の際に別張り気密シートの施工が有効です。
※防湿層一体型のアムマットプレミアムでも対応可です。
- 防湿気密シート
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省エネルギー基準では、防湿気密シートを室内側に施工することが基本条件です。4地域以南では、条件により防湿気密シートを省略することが可能ですが、防湿気密シートを張ることで、室内の気密環境と、構造材を結露から守る防露性能が大幅にアップします。
- 防湿気密シートは、JIS A 6930に規定される性能のものをご使用下さい。
- 高い防露性能を確保するため「重ねしろを30mm以上確保する」ことが施工のポイントです。
- POINT
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防湿気密シートの継ぎ目は、下地材がある部分で30mm以上重ね合わせます。継ぎ目に下地材がない場合は、気密テープで処理して下さい。
- 壁/別張り防湿気密シートの施工例
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- 湿気密シートは、隙間なく連続して張ります。
- 上端部は梁にタッカーで留め、気密テープで止めます。
- 下端部は床に30mm以上の重ねしろをとって、タッカー留めします(気密テープ処理は不要)。その上に床仕上げ材を施工します。
- その他の部分でも、防湿気密シートの重ねしろは下地材(柱・間柱)のあるところで30mm以上確保します。
施工後
- 防湿気密シートの継ぎ目処理
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継ぎ目の重ねしろが下地材のある
部分で30mm以上取れる場合防湿気密シートの継ぎ目部分をタッカーで留付けます。(約200mmピッチ)
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継ぎ目の重ねしろが下地材のある
部分で30mm以上取れない場合防湿気密シートの継ぎ目部分に気密テープを張り付けます。