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お問い合わせの多いQ&A

ロックウールの密度について教えてください。

ロックウールには主に、マット・フェルト・ボードの分類があります。
フェルト・ボードは建築物が中心で、マットは木造住宅が主体です。

製品規格は3種類のJIS(日本工業規格)をベースにしています。

JIS A 9521 建築用断熱材
JIS A 9504 人造鉱物繊維保温材
JIS A 6301 吸音材

吸音性能を目的とするJIS A  6301「吸音材」はフェルトとボードが中心で、密度で分類されています。
密度の区分で1~3号の種類があります。

フェルト 20 ㎏/㎥ 以上 (1種類) フェルト状の成形品
ボード 40~300 ㎏/㎥ (3種類) 板状の成形品
ブランケット 40~160 ㎏/㎥ (2種類) 金網等の外皮材で補強したもの
ベルト 40~160 ㎏/㎥ (2種類) 一定幅に切り取り縦に並べ布などを張ったもの

マットはこのJISには該当しませんが、吸音性能はあります。カタログ等の実測データを参照ください。

JIS A 9504「人造鉱物繊維保温材」は主にフェルト・ボードが中心の、高温域で使用されることが多い保温材の規定です。
密度と熱伝導率(平均温度:70℃)とで区分されています。

ウール 密度区分なし  
保温板1号 40~100 ㎏/㎥ 綿状のもの。粒状綿など。
保温板2号 101~160 ㎏/㎥ 板状の成形品。
保温板3号 161~300 ㎏/㎥
フェルト 20~70 ㎏/㎥   フェルト状の成形品
保温帯1号 40~100 ㎏/㎥ 一定幅に切り取り縦に並べ布などを張ったもの
保温帯2号 101~160 ㎏/㎥
ブランケット1号 40~100 ㎏/㎥ 保温板を金網等の外皮材で補強したもの
ブランケット2号 101~160 ㎏/㎥  ″
保温筒 40~200 ㎏/㎥ 円筒状の成形品

JIS A 9521「建築用断熱材」は主にマット・フェルト・ボードの常温(気温:23℃)で使用される断熱材の規定です。2014年のJIS改正で、ロックウールには密度と熱伝導率の組み合わせで10種に区分されました。それ以前はロックウールには密度の区分はありませんでした。
一方、グラスウールには密度と繊維径による種別があり、「密度」のお問い合わせはこの比較だと思われます。
従前のアムマットは「RWMA」、ネダレスの床ボードは「RWHA」の区分になります。

しかし、以前から一部の告示等でロックウールにも密度の規定が少しありました。

  • 共同住宅(アパート)の界壁遮音:建設省告示1827号
    ・・・・かさ比重:40㎏/㎥・・・専用商品をご用命ください。
  • 省令準耐火(金融支援機構)・準耐火構造:建設省告示1358号及び1380号
    ・・・・かさ比重:24㎏/㎥・・・全商品使用可能です。

「透湿抵抗比」って何ですか?

透湿抵抗比は「防湿層」「通気層」の省略できる要件にありますので、このお問い合わせが多いようです。2009年4月施行の平成11年省エネルギー基準の部分改正で「防露」の考え方が導入されました。
ロックウールやグラスウールのように透湿抵抗の小さい断熱材では室内側に「防湿層」を設けることが必要になりました。

防湿層は、専用の別張シートや断熱材の付属防湿シートとしてJIS A 6930に定める、住宅用プラスチック系防湿フィルムが使用されます。弊社では「アムマット プレミアム」の室内側シートがこれに該当します。(室内側付属防湿フィルムは50μ厚さです。)
通常の「アムマット」は室内側防湿フィルムは18μですので、「防湿層」の省略要件には該当しないので、「透湿抵抗比」の計算で別貼りシートが省けるかどうかを判断します。
このような場合に使うのが、「透湿抵抗比」です。専用の計算シートはこちら

■省略要件の基準値は次の通りです。

■壁の場合は次の計算式です。

  • ※せっこうボードについては、2×4構造のように横架材まで張り上げない限り室内側の透湿抵抗に算入することはできません。
  • ※一般的な内装材仕上材は、室内側の透湿抵抗に算入することはできません。

  • ※建材の透湿抵抗比の数値はIBECの解説書にありますが、こちらも参照ください。
    弊社の室外側付属防湿フィルム(有孔)の設計値はこちらを参照ください。

■天井の場合は次の計算式です。

※天井の場合はこの他にも、少し条件がありますので、ご注意ください。

  • ※住宅性能表示精度の劣化対策等級又は住宅金融支援機構標準仕様書に対する基準値を満たす必要があります。

断熱材と開口部(窓サッシ・ドア)の仕様から、省エネルギー基準に合格する方法はありませんか?

■建築物省エネ法で、平成25年基準の「附則」が拡大され、全住宅に「住宅仕様基準」が設定されました。

平成25年基準では設計・施工指針の「附則」で、開口部比率に応じた「仕様基準」ありましたが、建築物省エネ法の施行に伴い下記の条件が新たに設定され、全住宅に「住宅仕様基準」の適用が拡大されました。

  • ・H25年基準の上限を超える区分の新設
  • ・開口部比率の計算をしない住宅も新設区分に含めた

詳しくはこちらを参照ください。

ロックウールの素材・性能に関して

ロックウールとは何ですか?
ロックウールは、高炉(溶鉱炉)で製鉄する際に発生する高炉スラグ(けい酸分や酸化カルシウム分が主成分)や玄武岩その他の天然鉱物などを主原料とした人造鉱物繊維のことをいいます。
原材料をキュポラ(コークスを燃料とした溶融炉)や電気炉で1,500~1,600℃の高温で溶融させたり、あるいは高炉から発生した後に同程度の高温に保温や昇温させたり(当社の製造方法)することによって生成した溶融スラグを、炉底から流出させ、遠心力などで細かく吹き飛ばして冷却することによって繊維状にロックウールを成形します。
ロックウールとアスベストの違いは何ですか?
ロックウールは工場で人工的に製造された非晶質(ガラス質)鉱物繊維で、単繊維径が3~10μm(1μm=1/1000mm)であるのに対して、アスベストは天然に産する結晶質の鉱物繊維で、ロックウールの数十~数百倍細い繊維で、元々全く別の物質です。
※詳しくはこちら
ロックウールにアスベストは含まれていますか?
ロックウールは元々アスベストと全く別の物質で、ロックウール自体にアスベストが含まれることはありません。
但し、ロックウールを原料とした製品のうち、過去にアスベストが混入していた製品として吹付けロックウールとロックウール吸音天井板があります。吹付けロックウール(乾式)は昭和55年以前に、個別認定品である吹付けロックウール(湿式)は平成元年以前に、またロックウール吸音天井板は昭和63年以前に施工されているものにはアスベスト(石綿)が混ざっている場合がありますのでご確認ください。
ロックウールは人体に有害ですか?
ロックウールに限らず、どのようなもの(物質)でも呼吸器系に取り込まれることは好ましいものでありません。
通常、肺内に異物が入ってきた場合は、マクロファージ(大喰細胞)が異物を食べて、その細胞の死骸がタンとなって体外に排出されます。このように人間の体は異物に対し防御反応があると共に、呼吸に伴って吸入したものも排出されることになります。
しかし、呼吸器系に大量の異物がはいってきますと、その機能が働かなくなり、肺に対して影響を与えることになります。ロックウールの場合も同様です。
従って、呼吸器系に大量のロックウールが吸入されなければ特に問題はありません。
ロックウールは発がん性があるのですか?
現時点で、我が国において、ロックウールを取扱った人から肺ガンの発生報告はありません。IARC(国際がん研究機関)による発がん性評価においてもグループ3(発がん性に分類できない)となっております。〔グラスウールもグループ3,アスベストはグループ1(発がん性あり)〕
廃棄物として発生したロックウールはどのように処理したらいいのですか?
廃棄物として発生したロックウールは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」に該当し、産業廃棄物として適切に処理することが必要です。処理方法としては、主に中間処理や最終処分(埋立て)などがありますが、都道府県知事の許可を受けた廃棄物処理業者に委託し、不法投棄などないように処理することが必要です。
住宅用断熱マットの使用時にホルムアルデヒドの発生はありますか?
住宅用断熱マットには数%以下のフェノール樹脂(変性物も含む)が使用されており、そのフェノール樹脂に数%のホルムアルデヒドが含有されていますので、発生がまったくないとはいえませんが、JIS A 1901(スモールチャンバー法)に基づいた調査の結果、工業会各社で製造している住宅用断熱マットは、F☆☆☆☆(ホルムアルデヒド放散量5μg/m2・h以下)となっており、改正建築基準法を充分満たした製品となっています。
吹付けロックウールは建築基準法によるシックハウスの規制対象になりますか?
シックハウスの規制対象にはなりません。その理由は次の通りです。
規制の対象となる要件は、1.建築物であること、2.居室であること、3.使用部位が壁,床,天井,または天井裏等であること、4.規制対象建築材料であることのすべて満たした場合のみ該当することになります。
吹付けロックウールは鉄骨の耐火被覆用として使用されますので、上記適用要件の1.及び2.に該当しますが、上記3.には、鉄骨耐火被覆剥き出しで使用される場合を除き該当しませんから、シックハウス対策のための規制対象外となります。
また、鉄骨耐火被覆剥き出しで使用される場合でも、上記4.の要件に該当しませんので、シックハウス対策のための規制対象外となります。この上記4.の要件に該当しない理由は、吹付けロックウールはロックウール粒状綿(ウール)とセメント、水から構成されているからです。
アムマットに防蟻材を塗布しても大丈夫ですか?
防蟻材もさまざまな種類がありますので一概には言えませんが、ロックウール本来の性能確保のためにもお勧めできません。
アムマットの室外側のシートに小さい穴が開いていますが不良品ですか?
不良品ではありません。壁体内結露防止のための湿気を逃がす工夫としてシートに穴あけ加工を施し、防水透湿層を形成しています。
アレルギー体質の人に対する影響はありますか?
ロックウールは比較的太い繊維ですので、皮膚に対しての刺激はありますが、一過性の刺激です。なお、皮膚の弱い人はロックウールとの接触を避ける方がよいと思います。
ロックウールの耐火性能はどのようになっていますか?
ロックウール素材そのものは国土交通省認定の不燃材料です(NM-8600:ロックウール保温板)。ロックウールは700℃程度まで加熱しても形状を保持し体積変化も余りありません。成形品を加熱した場合はロックウール表面のバインダーの影響で白変しますが繊維自体の変質はありません。
ロックウール工業会として、以下の防耐火認定を取得しています。

床45分準耐火構造:QF045FL-0005(2×4工法)
外壁30分防火構造:PC030BE-0579 (軸組工法),PC030BE-0579(2×4工法)
外壁45分準耐火構造:QF045BE-0239(軸組工法)
床1時間準耐火構造:QF060FL-0011(2×4工法)
ロックウールは温度や湿度によって変形することはありませんか?
ロックウールは高温多湿状態でも形状安定性に優れた断熱材で、温度変化による収縮等の変化もありません。断熱材は変形した場合は本来の断熱性能を発揮することができませんが、ロックウールは長時間使用しても安定した断熱性能を発揮します。
ロックウールは白蟻の食害を受けますか?
ロックウールは高炉スラグを原料とする無機質断熱材なので、白蟻の食害を受けることはありません。
ロックウールの吸音性能はどのくらいですか?
ロックウールは細い繊維が絡み合って作られた空間で、入射した空気の振動である音波を繊維の振動に変え、その振動が熱エネルギーに変わることで、音を吸収し消音しています。
ロックウールは一般に周波数の増加とともに大きくなり、ある周波数でほぼ一定値に達します。低音域(周波数が低い領域)の吸音率は高音域に比べて低くなりますが、ロックウールの厚さを増やすことにより改善されます。また、製品の密度を増すことで低音域の吸音率は上がります。それらの特性を理解した上で、最適な製品を用いることで高い吸音性能を得ることが出来ます。
ロックウールの吸音率は「0.61~0.81以上」吸音区分「0.7M~0.9M」と高い吸音性能です。
※1.0は吸音率100%を意味します。
ロックウールの耐水性はどのくらいですか?
ロックウールは脱水性が高いため水を抱え込みにくいという特性に加え撥水性が高く、繊維の隙間に水が入りにくいため、結露等により万が一断熱材が濡れた場合でも形状の保持ができるので、断熱性は損なわれません。
ロックウールおよびロックウール製品はグリーン購入法の対象品目にあたりますか?
国等による環境物品等の調達等に関する法律」(グリーン購入法)に基づく特定調達品目の中に公共工事があり、その中に「断熱材」の項目があります。下記の判断基準に該当した場合、ロックウール断熱材製品は特定対象品目となります。

建築物の外壁等を通しての熱の損失を防止するものであって、次の要件を満たすものとする。

  • 1 オゾン層を破壊する物質が使用されていないこと。
  • 2 ハイドロフルオロカーボン(いわゆる代替フロン)が使用されていないこと。
  • 3 再生資源を使用しているか又は使用後に再生資源として使用できること。

【配慮事項】
発泡プラスチック断熱材については、長期的に断熱性能を保持しつつ、可能な限り地球温暖化係数の小さい物質が使用されていること。

施工方法に関して

ロックウールを保管する場合はどのような注意が必要ですか?
ロックウールは雨などによって濡れることが無いように原則として室内で保管してください。
屋外で保管する場合や施工後も外部に直接晒されるような場合は養生シートなどによって雨水にさらされないようにしてください。
万一濡れてしまった場合は、乾燥を確認したうえでご使用ください。また、適正な厚みを確保するためにも、ロックウールの上には重量物を載せないようにご注意ください。
充填断熱工法と外張断熱工法について特徴を教えてください。
外壁(あるいは屋根)の軸組間(あるいは垂木間)に断熱材を充填して断熱層を設けるのが充填断熱工法で、ロックウールの場合は住宅用マット製品の気密シート面を室内側に向け、たるまないようにシートの耳を張った状態で間柱にタッカー留めして施工するのが一般的です。軸組との間に隙間なく充填し、防湿層、気密層が途切れないように施工することが重要です。
また、断熱材を有効に機能させるためには壁体と床裏、あるいは天井裏空間と間に通気止めを行う必要があります。
外張り断熱工法は軸組の外側に断熱層を設ける工法で、ロックウールを用いる場合はボード製品を樹脂製のブラケットあるいは横桟木などで固定します。断熱層や気密層が連続的に施工できることから、確実な断熱施工が充填断熱工法に比べて比較的容易に行えます。
また、次世代省エネ基準において断熱材の仕様規定によって断熱厚を選定する場合は、外断熱工法の方が充填断熱工法より薄い厚みで済む場合があります。但し壁厚が外側に厚くなるため、サッシの取り付け下地が必要になったり、狭小敷地に対しては計画に影響を与える可能性があります。
住宅用マットで充填断熱を行う場合、コンセントまわりはどのように納めれば良いのでしょうか?
コンセントボックスに干渉する部分の断熱材に切れ目を入れ、コンセントボックス後ろ側部分に断熱材を廻し込みます。
一般的な場合はコンセントボックス周囲の気密方法として防湿テープで目張りする程度の処置が必要ですが、次世代省エネ対応などの高気密住宅では、コンセントボックス裏にプラスチック成形品や気密シートを回したり、気密専用のコンセントボックスを使用する必要があります。
住宅用マットの壁の充填施工について、壁の内側に筋かいや横胴縁がある場合はどのように
施工すべきですか?
筋かいや横胴縁がマットと干渉する場合は、基本的に以下の手順で施工を行ないます。
1.該当部分の室内側ポリエチレンフィルムを外します。
2.干渉部分のロックウールを切り欠きます。
3.マットを筋交い、横胴縁の裏に入れ、筋交いや横胴縁部分をマット内に埋め込み、ロックウールが室内側に接するように施工します。
4.室内側ポリエチレンフィルムを戻し、ステープルで固定します。
住宅用マットの切断した場合、切り口はどのように処置するのでしょうか?
開口部周りのマットの継ぎ目など、マットを切断して施工する箇所については、室内側ポリエチレンフィルムの切断部を防湿テープで端部を覆い、防湿層が室内側に連続するようにします。
アムマットの室内側ポリエチレンシートが破損した場合、どうすればよいのでしょうか?
アムマットの室内側ポリエチレンシートは防湿層の役割を果たしますので、破損した場合は防湿テープにて補修してください。

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