
第6回 断熱工法の比較:充填断熱 VS 外張り断熱…どっち?
1-2 特長
工法別の特長は以下のとおりです。
■ 充填断熱工法
- ● 施工が天候に左右されにくい。
- 屋根葺き工事後に断熱工事を行うため、天候に左右されにくく、雨仕舞い等の養生にそれほど気を使わなくてもよい。
- ● 断熱材費が安価である。
- 繊維系断熱材による場合は、断熱材単価が安価である。
- ● 外壁厚さを厚くする必要がない。
- 軸組間に断熱材をはめ込むため、外壁厚さをふやす必要がない。ただし、寒冷地において、より断熱性能が要求される場合は、外張断熱を併用することがある。
- ● 断熱施工が屋根形状に影響されにくい。
- 天井断熱の場合は、屋根形状に影響されずに施工できる。
- ● 防湿層、気密層の施工管理が重要。
- 別途防湿、気密のための工事が必要である。
■ 外張断熱工法
- ● 気密化が容易。
- 防湿層は軸組の外側からの施工であるため、施工が容易である。
- ● 内部結露対策上有利。
- 層構成上、軸組等躯体部分での結露発生の危険性がほとんどない。プラスチック系断熱材で通気層設置の場合など、防湿層を設けないことも可能。
- ● 柱、桁などの木材熱橋の影響が少ない。
- 軸組材の外側に断熱層があるため、軸組材による断熱性能低下はない。ただし、外装材等取付のための下地材が断熱層内に設置されることがあるため、その場合は、その分の熱ロスを考慮する。
- ● 隅角部の温度低下が少ない。
- 隅柱の外側で断熱するため、充填断熱に比べると隅角部の温度低下は少ない。
- ● 壁内が空洞であるため、配管等の施工上有利。
- 壁内、天井面、床面におけるコンセント、スイッチ類及び配管・配線の施工は、通常通り行える。筋違い、真壁も同様に、断熱施工に影響はない。
- ● 壁内利用が可能
- 土壁などの熱容量付加、躯体内通気工法などに向いている。
- ● 小屋裏が熱的境界内(屋根断熱採用の場合)
- 小屋裏利用が可能になる。換気配管等の保温が不要。
- ● 床下が熱的境界内(基礎断熱採用の場合)
- 給湯・給水配管の保温が不要。水落不要。