
第8回 取り合い部の設計、施工 ここが大事“取り合い部”
2. 取り合い部の防露
気流止めは壁内に低温の空気が侵入しないように壁の上下の端を塞ぐこと、または塞ぐ部材のことです。壁の上下を塞ぐことで壁内の気流を起こさないようにする措置のことです。
一方、防露のための納まりは、室内側から断熱層の外側への水蒸気の移動を防ぐことを主な目的としています。こちらは防湿フィルムを途切れないようにとりつけます。また、たるみやしわがないように張ります。断熱材を施工する時と同様、隙間なく連続して施工することが大切です。
防露のための措置も「取り合い部」がポイントですので、同じような印象を持たれる方も多いと思いますが、目的が違いますので明確におさえてください。ただ、どちらも断熱性能を十分に発揮させる、家を長持ちさせるという意味では同じといえます。
ここでは、各取り合い部における防露のための納まりを見ていきます。
2-1 充填断熱工法の防露施工
充填断熱工法の取り合い部の防湿層施工の主な注意点は以下のとおりです。
- ■ 防湿層は断熱材の室内側に設け、防湿フィルムを設置する。
- ■ 各部位、各取り合い部では連続した防湿層を施工する。
- ■ 必要に応じて気流止めを施工する。
- ■ 防湿フィルムは、横、縦ともに下地材のある部分で継ぎ足す。
この時、隙間を生じさせない為に、例えば30mm以上重ね合わせる。 - ■ 防湿フィルムは、たるみ、しわのないように張る。
- ■ 防湿フィルムの端は下地材ある部分で気密テープを用いて留めつけるか、木材等で挟みつける。
(1) 最下階の床と外壁の取り合い部(防露)

図 9 最下階の床と外壁の取り合い部
(2) 中間階の床と外壁の取り合い部(防露)

図 10 中間階の床と外壁の取り合い部
(3) 屋根直下の天井と外壁の取り合い部(防露)

図 11 屋根直下の天井と外壁の取り合い部
(4) 外壁と間仕切り壁の取り合い部(防露)

図 12 外壁と間仕切り壁の取り合い部
(5) 最下階の床と間仕切り壁の取り合い部

図 13 最下階の床と間仕切り壁の取り合い部
(6) 屋根直下の天井と間仕切壁の取り合い部

図 14 屋根直下の天井と間仕切壁の取り合い部
(7) 下屋部分の取り合い部

図 15 下屋部分の取り合い部